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地元密着不動産屋による吉祥寺・三鷹・久我山の情報です。

最後の「満員御礼」

前進座劇場ファイナル公演と銘打って「三人吉三巴白浪」
が、2013年の正月2日から9日まで、同劇場で公演されます。

さすが最終公演とあって、切符は早々と完売しました。

予定してなかった8日を追加公演にしたが、これもすぐに売り切れ
だそうです。

「もっと公演日数を増やしたら」と聞いたら、「旅巡業
の予定があるので、それは無理」とのこと。

劇場を売ると決めたのは、旅巡業の予定を決めた後なので、
「お尻は決まっている」ので、延ばせない。

このような「満席の悩み」がずーっと続いていれ
ば、劇場を売り渡すこともなかったでしょう。

建てるときは、法律的に劇場は建てられない土地だったので、陳情
してやっと特別許可をもらって建てた劇場。

井の頭通りに面した土地を、武蔵野市に売ったために、
劇場入口は、一旦階段を下りて、 また登る構造になってしまった。

前進座客の歳を考えると、不親切な作りでした。

売った土地に建ったのが、吉祥寺南町コミュニティセンター。

地域の人が使う建物だから、何も井の頭通りに面している必要はないはず。

同じ予算なら、前進座が持っていた(その頃は)南側でもっと面積を広くして、
公園もあるコミセンにすればよかったのに。

その土地も、宅地開発業者に売ってしまっています。

今はコミセンの南側に隣接する土地も、今や市の管理する土地、
フリーマーケットで使ってる広場です。

およそ2000坪ほどの広い前進座の土地が、今や切り刻まれて、
いくら残っているのでしょう。

劇場を建てる時、お話しに来た劇団員とのお話で、2000坪の
一帯開発を提案したことがあった。大・中・小の劇場プラン。

その頃、江戸糸操り人形「結城座」が、住宅地の稽古場で公演を続けて
いたので、法律違反に問われいて、結城座が公演できる劇場建設話
しが上がっていた。(それが現実になったのが、三鷹駅の北側にで
きた芸能劇場だが、肝心の結城座が、残念ながら、武蔵野から引っ
越してしまいました。)

エレベータもない公会堂の建て替えも考えると、
これらをまとめて「大中小」構想も夢ではなかったかもしれません。

前進座が土地を貸す、武蔵野市は借りて、そこに劇場を建てる。2000
坪まるごと計画し、劇場の南側は公園にして、その地下は観劇に来
た観光バスも駐車できる大パーキングをつくる。前進座住宅は、劇
場の上をマンションにする。

名前を「前進座記念・吉祥寺劇場」とか、優先使用などあれば、
前進座の公演も不都合なかったでしょうし・・・。

とにかく劇場を維持するのは金がかかるのだから、
劇団での小屋の維持には限界があったはずです。

この提案は、検討されたのかどうかは、判りません。

提案で採用されたのが、「劇場建設に寄付をしてくれた人を
全部パネルにする」ことでしたが、これも劇場がなくなれば、
どこかに消えていってしまいます。

吉祥寺情報 | 2012年12月21日(金)